深呼吸の方法について、もう少し触れておこうと思います。

マッサージをしていると、背骨、肩甲骨がガチガチで動きが悪いお客様がおられます。ここをよくほぐすと、呼吸が深く入るようになります。ストレスの多い生活を送っていると呼吸が浅くなりがちですが、そうすると体も自然と固くなって、常に浅い呼吸で生活しているような状態の悪循環に入ります。呼吸の浅い時は、狭い視野になり、考えがまとまらず、行動も粗くなります。体の状態が整っていれば、呼吸が整い、穏やかな心の状態が整ってきます。深呼吸をするにも、体の状態が重要なポイントのひとつですね。

呼吸は、基本的に腹式呼吸です。腹をふくらませたり、へこませたりの圧力で呼吸をする方法ですが、慣れが必要かもしれません。最初は胸まで意識しながら呼吸を繰り返し、ゆったりと呼吸が整ってきたら、腹まで深く呼吸を入れるという、2ステップに分けた方がやりやすかもしれません。吸う息の倍以上の時間をかけて空気を吐き出します。空気をはいている時間が断然長くなります。腹式呼吸、丹田呼吸ともいいますが、繰り返しやっていると、鼻から呼吸を出し入れしている感覚がまったくなくなります。

瞑想する時、雑念がうかんで集中できないということをききますが、雑念はあってもかまいません。雑念を追いかけずに、浮かんでは消えるにまかせていると、浮かばなくなってしまいます。雑念まみれで、1時間たつこともあるでしょうが、雑念をつかんで、あの時こうだったああだったと自分の感情をのせていかなければ、必ず消えるポイントがやってきます。深呼吸が神呼吸に変化するのはその先です。

神呼吸の段階に入ると、「あ、入った」とわかる、明らかに違う呼吸パターンになります。ここに至るのが目的ではなく、ここからが出発点です。

自分の経験を話しますと、体の皮膚感覚がうすれて、自分の肉体と空気との境目がわからなくなります。外の音に意識を向けると、何キロ先までの音までひろって聞こえてくるような気がします。自分の体がどんどん小さく折りたたまれて、首の下に足がついているような、まるでクラゲですね。神話に「クラゲナスタダヨヘル」という表現がありますが、クラゲのようにプカプカ浮いている感じです。宇宙人にクラゲっぽい形のがいますが、人間は実はアレなんじゃないかと思ったりします。

若いうちは、よく「本当の自分が知りたい」とか、「自分の心の声を聴いてみたい」という興味をもったりします。私も自分探しの旅と称して、バックパックひとつでいろいろな国を歩き回りました。若い時の経験というのは大事でどれもすばらしい思い出ですが、自分を知るために遠くにいく必要はありませんし、そのために修行をする必要もありませんでした。

神呼吸に入った時に、「このことについて知りたい」という問いを出せば、答えが返ってきます。答えを返してくれるのは、もちろん自分です。しかし、肉体をまとっている自分にはない答えを、別の自分が与えてくれる。そして、自分は自分に対して親切ですから、わかるように教えてくれる。そういう経験をします。別の自分というのが、「真我」というものかもしれません。ただうのみにするのではなく、その自分と会話を重ねて、もっと知ろうとしていく。自分との関係を強めていくんです。

そこで、ひとつの疑問が浮かび上がります。それはまた次の機会に。

深呼吸は神呼吸(3)

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