穴水駅

2005年に鳳至郡(ふげしぐん)が消滅した。千年以上存在した地名をなくすということは、歴史の一部を抹消してしまうに等しい。鳳至という名前が風化する前に、その名前の由来について考えてみた。

「ふげし」という「ふけ」の部分は、湿地帯を表す古語の「沮沢(ふけ)」ではないかと思う。ジメジメとした水はけの悪い沢地という「ふけち」が転じて「ふげし」になったのだろう。

では、「ふげし」にどうして「鳳至」という漢字を当てたのだろうか。どう考えても、「ふげし」とは読めない当て字だ。鳳(おおとり)は、白鳥などの体の大きい鳥を指す。白鳥の飛来地は、製鉄と関係がある土地が多いという説がある。穴水のように、「穴」のつく地名は砂鉄収集の「鉄穴流し(かんなながし」の穴に由来することが多い。遠藤関出身の中居町は製鉄がさかんだった町だ。

古事記に、垂仁天皇の第一皇子である誉津別命(ホムツワケ)が唖であったが、白鳥を見て言葉を発したことから、白鳥を追いかけさせて、越の和那美(わなみ)の水門(みなと)で白鳥を捕獲したという話がある。越の和那美(わなみ)は、どこだろうか。「わ」と「あ」が混同して、穴水(あなみ)が「わなみ」と表記されたのではないか。ホムツワケの白鳥が飛んできて捕まえたということを、「鳳至」という地名に残したと、私は勝手に解釈している。石動山にホムツワケが住み着いたという伝承があり、能登に縁の深い物語だけに、和那美の比定地は穴水であるという新説をプッシュしたい。

鳳至(ふげし)ってどんな意味?